かかし座劇団員ニュース2004


2004年アート・アンフィニーバレエ発表会に
かかし座劇団員が出演



る8月28日、かかし座の経営するアートアンフィニー横浜スクールのバレエ発表会が、青葉公会堂で行われました。劇団かかし座の劇団員は、このスクールのクラッシックバレエ、シニア2クラスを受講していますので、出演可能な劇団員は、生徒としてこの発表会に出演します。春に劇団内で内々の発表会はありましたが、今回は、スクールに通っている大人から子供まですべての生徒が一緒になって一つの舞台を作り上げるのです。もちろん、同じクラスに劇団員以外の生徒さんがいらっしゃればその方も一緒に出演するのですが、残念ながら今回のシニア2クラスは劇団員8人だけです。
 劇団かかし座の劇団員は、常々、演劇の基礎練習に加え、発声、歌唱、そして週に二回のバレエの鍛錬も欠かせません。とはいえ、公演や事務所、制作の仕事をしながら、発表会に向けてのレッスンとなりますと、なかなか時間がとれないものです。子供たちが半年前から発表会の練習を始めていたのに対し、劇団員が振り付けに入ったのは一ヶ月前をきった八月頭。しかも今回の振りの最後には今までに廻った記憶の無い回数の廻転が・・・。先生に「それは無理ですよ」と一同正面から抗議を試みたものの、「大丈夫大丈夫」と、先生は平気な顔でレッスンを続けます。でもさすがに劇団員、仕事の合間をみてはみんなで集まって自主レッスンをしたりと、振り覚えだけは早かったです。それでも発表会前日まで一度も指定の回数の廻転が決まることはなく、今回は潔くお客さまに笑われようと開き直るくらいの気持ちでした。さらに、私たちの中から六名はソロもしくはデュエットもあるので、そのレッスンはそれぞれ別に先生からご指導頂きました。
 発表会までの間、普段のレッスンの時間のなかで、もちろん、発表会のレッスンの占める割合は大きくなります。そして一ヶ月前からは、合同レッスンと言って、15時から18時まで、出演する生徒全員が集まって、本番さながらの流れの中でレッスンをするのです。そしてついに発表会前日の合同レッスン。本番目前で子供たちもピリピリの緊張感・・・と思いきや、「おしゃべりしない!先生の話を聞いて!恐い顔して踊らない!」などなど、普段と変わらぬ先生の檄が飛んでいます。中でも、一番心配の種だったのは、おちびちゃんたち。一番小さい子供たちは三歳くらいでしょうか、まだまだ遊びたい盛り。彼女たちはレッスンが楽しくてしょがないのですが、振りを覚えるとなると話が違います。一緒に出演する怪獣のぬいぐるみが気になってしょうがなかったり、一人でも足が逆になるとみんな戸惑ってばらばらに〜。これもお母様方の協力もあり、ビデオを撮ってお家で確認してもらうことでなんとか前日には通るようになってました。・・・と、子供たちを見て微笑ましく思ってる場合じゃないのは本当は私たちなんですが。がんばってここまでやってたんですけどね。さすがの先生も、回りながら隊列を崩して、きっと舞台から落ちちゃうんじゃないか!というくらい移動する私たちを見かねたんでしょう、振りをすっかり変えて下さったのでした。(情けない・・・)まあ、その甲斐あって、振りもそろい、ネタにならなくてすんだんですが(笑)

 そして発表会当日。全部でキッズクラス、ジュニアクラス、シニア1クラス、それぞれ2クラスずつと、シニア2クラスが一つずつグループ作品を踊り、劇団員6名のソロ、デュエット、シニア1クラスから1名のソロが行われます。劇団員は3組に分かれ、30人を超える子供たちに付き、出演者であると同時にお世話係をします。メイク室とリハ室の行き来、トイレ、ご飯、着替えと大忙し。その上、自分のメイク、トイレ、ご飯、着替えと大忙し(笑)朝9時に公会堂に入り、仕込みとポワントクラスのアップ。十時にはその他全員が一斉にやってきました。舞台や、受付の方は出演しない劇団かかし座全員が大集合して設営をしています。そして、メイク室では、お手伝いに入って下さった、先生方、お母様方が子供たちのメイクをとてもスムーズに行って下さり、ほぼ予定通りに準備を整えることができました。本当にこういうときのお母様方は心強い。リハーサルも写真撮影も無事に終わりほっとしたのは開演まであと一時間というころでした。
 そして本番。先生を囲んで円陣を組み、テンションを上げ、舞台へ。今回の演目は「おもちゃ箱」。子どもの部屋にあるおもちゃ箱からいろんなおもちゃが飛び出して踊るというもの。クレヨン、サイコロ、ぬいぐるみ、万華鏡、オルゴール、旗に扮して、生徒が舞台狭しと踊りました。こういうときの子どもたちは本当すごいと思います。度胸があるというか、堂々としたものです。ポワントがひっかかって転ぶ人、頭飾りがとれる人、振りを間違う人、いろんなことが起きても、まるで起きていないように堂々と発表するその姿に感心しました。みんな練習通り、もしくはそれ以上に落ち着いて、見事に踊ってくれました。前回の発表会から出続けている子も、初めて出た子もいるんですが、その成長ぶりにちょっと感動してしまいました。もちろん問題のおちびちゃんたちも先生がびっくりするくらい上手に踊れたんですよ。そして私たちはというと、それはみごとに振りを間違えた人もいますが、まるでそれが本当の振りのように踊ったんですが(笑)無事「おもちゃ箱」は終演しました。引き続き始まった「バレエコンサート」のソロはというと・・・転ぶ人あり、よたつく人あり、笑顔でごまかす人あり、まあいろいろありましたが、それぞれにがんばって楽しんで踊ったと思います。最後にシニア1の子がソロで踊って締めてくれましたが、本当子どもは日々伸びていて、本番も一番すばらしいですね。
 いつもは私たちが舞台の上で子どもたちは観客。子どもと常に接してるとはいえ、一緒に舞台を作るこのバレエ発表会は、子どもとの距離も立場もいつもとは違い、とても勉強になりました。これからも、もっともっとレッスンを重ねて舞台に活かしていきたいし、こういう機会にいろんなことを見て聞いて、勉強していきたいと思います。

原口明子、うえだよね