やまなし
光村・アポロンビデオライブラリー
かかし座年譜の1989年に記載のあるシルエット・フルアニメーション映画の「やまなし」です。この作品は光村教育図書から、国語教科書の視聴覚による副教材として製作依頼があったもので、テキストは宮沢賢治の原作通りになっています。映像化するにあたってどうしても詩としてのリズムと映像としてのリズムが食い違うところがあり、編集の時苦労したことを覚えています。影絵の手法としてはかかし座の伝統的な手法であるハーフトーンシルエットにアニメーション技術を合体させたもので、通常のアニメセルの4倍位の(面積比)大きさのセルにキャラクターの切り絵を貼り付け、ダブルタップと、ダブルタップ切りを特注して製作しました。カメラも35mmのコマ撮りカメラ(たしかミッチェルを改造したもの)をドリーに乗せ、トロッコに乗せてレールを敷いて1コマずつ、ミリ単位で動かしながら撮影しました。当時、映像技術がどんどん進歩している時代で、かかし座でも少しでも高度な映像を実現しようと懸命でした。当時持てる技術を最大限につぎ込んで現場での2重3重撮影をしました。15分位の小品ですが、撮影に10日位かかったのを覚えています。
演出 後藤 圭
音楽 藤原 豊
語り 小沢重雄
制作・発行 光村教育図書株式会社 アポロン音楽工業株式会社
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