おはなしたまてばこ「かさじぞう」
こどもちゃれんじ すてっぷ(4~5歳児用) 1995年1月号
文と構成 後藤圭/影絵製作 劇団かかし座
発行所 (株)福武書店 1995年1月1日発行

 これは、1993年9月号の「しじみの なみだ」と同じ様に私(後藤圭)が書き下ろしと構成をして、さらにこの時は私自身が影絵の下絵を全部描いてかかし座が影絵製作にあたった、出版物のユニット製作的な作品です。
全17ページに12点ほどの影絵を配した絵本的な仕事でした。このときは新年号という事もあり、大歳の話である「かさじぞう」を選ばれました。しかし文を書く上で「ろくじぞう」という言葉を使うかどうかで編集者ととても問題になりました。編集側は「ろくにんの じぞうさま」(スペースはわかち)と主張します。私は「ろくじぞう」は「じぞうさま」が単に6人いる訳ではなく、仏教的なわけが有って「ろくじぞう」なのだからといって「ろくじぞう」を主張したのですが、結局編集側に寄り切られたのを覚えています。
また、この仕事は影絵の製作にコンピューターを導入した最初の仕事になりました。不慣れで苦労もしましたが現在のかかし座の作業の原型がこの仕事で試されました。
(株)福武書店は、独特の通信教育システムを開発し、「しまじろう」などのキャラクターが大ヒットしている「株式会社ベネッセコーポレーション」の旧商号(社名)です。このユニークで注目を集めている出版社は現在上場を果たしていますが、おつきあいのあった当時、しっかりした社員の皆さんの対応に「さすが!」と思ったのを覚えています。


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